自動温度調節器の種類
EA、B10、FD | |
温水機器用温度調節器(ユニトロール110型) | |
ハイカット(制限器) | |
大規模空調システム | |
サーミスタ、サーモカップル |
1.ロバートショウ液圧式(ダイヤスタット感熱部方式)
ダイヤスタットはロバートショウ製サーモスタットに導入されている感熱部の名前です。
3つの部品から構成されています。若干太めの感熱部、柔軟性のある細くて長いキャピラリチューブ、そして2枚のステンレス円盤で構成されるダイヤフラムからなっています。これをダイヤスタットアセンブリといいます。
ダイヤフラムは2枚の円盤状の板が重なっているため、あたかも一枚の部品にみえます。円周部分はシーム溶接を施し、中心部にあいている孔部分にSTUDをつけます。キャピラリチューブとダイヤフラム、もう一方のキャプラリチューブと感熱部を銀ローで溶接します。次に 熱伝導の高いHB40封入液のタンク内にダイヤスタットアセンブリ全体を浸します。タンク内を真空状態にすると感熱部先端の孔からHB40液が徐々にキャピラリを通じてダイヤフラム部へと浸透していきます。液が浸透していくチューブは開放状態ですが、浸透した液はこぼれ落ちません。これはまさに水が入ったストローの一方を指で押さえたとき中の水が落ちないことと同じなのです。感熱部先端をクランプし銀ロー溶接を施せば、ダイヤスタットアセンブリができます。
これで中の液体は完全に閉じ込めたことになるわけです。最終段階は、このダイヤスタットアセンブリを2週間以上恒温槽に入れエージングします。
この際、漏れがあれば規定の変位が得られないので不良とすることが出来ます。ダイヤスタットアセンブリと接点機構を持った本体を組み込めばサーモスタットになります。
サーモスタットの感熱部を制御したい媒体におき、温度が上昇すれば中に封入された液体が膨張しキャピラリを通じてダイヤフラムバルブを膨らませます。その力をトグルタイプ機構のレバーを介して接点を押し開き、サーモスタットはOFF状態となります。
サーモスタットの感熱部を制御したい媒体におき、温度が上昇すれば中に封入された液体が膨張しキャピラリを通じてダイヤフラムバルブを膨らませます。その力をトグルタイプ機構のレバーを介して接点を押し開き、サーモスタットはOFF状態となります。
その後、熱源が失われているため温度は徐々に下降し、感熱部内の封入液が収縮します。その結果ダイヤフラムの膨らみがなくなり接点が閉じてONするわけです。(A接点仕様は上記と反対の作動となります)
2.ロッドandチューブ方式
給湯用サーモスタットユニトロール110シリーズで使われている温度検出部です。
銅チューブ、インバーロッド(コペル)と真鍮でできたタンク取り付けシャンクネジの3点から構成されています。
インバーロッドの片方側は銅チューブと接合され、もう一方側はフリー状態でメインバルブを押し込む動作をします。インバーロッドは銅に比べて膨張係数が小さいため、銅チューブが暖められると、インバーロッドはユニトロール本体の外側に引っ張られます。この動きにより、スナップ作動のメインバルブが閉じます。給湯器内の湯温が設定温度より下がると銅チューブが冷え、その縮む力がインバーロッドを本体手前側に戻す力となり、メインバルブを開きます。これが動作原理です。銅チューブとインバーロッドの溶接部が劣化して破損した場合は、メインバルブを開く力が失われるためガスが流れない、フェイルセーフ設計となっています。
液圧式と比べ、ON-OFFの温度隙間(ディファレンシャル)は大きいですが、簡単にON-OFF機構を利用できます。
3.バイメタル方式
膨張係数の異なる2枚の金属を張り合わせたもので、金属の反転を利用したサーモスタットです。一般に廉価なので、過昇防止やルームサーモに使われています。当社のMPA型入力調整器の内部に搭載されているヒートモータにはこのバイメタルが使われています。
4.空気圧式(ニューマティク)
大規模な空調関係で利用されていますが、空気圧の配管が難しいため現在ではあまりポピュラーではありません。
5.電子式
デジタル表示が出来、精度は非常に正確です。価格が高いのが難点です。マイコンチップ等の電子部品の集合体であり、温度制御も含めて全体のシステム基板を設計することで今後の注目すべきアイテムであります。ロバートショウでは主にOEMのマイクロウエーブ用オーブン用を生産しております。又、近年EA3シリーズの使用を踏襲したプログラム可能な製品の開発が進められています。