ダイヤスタットはロバートショウ製サーモスタットに導入されている感熱部の名前です。3つの部品から構成されています。若干太めの感熱部、柔軟性のある細くて長いキャピラリチューブ、そして2枚のステンレス円盤で構成されるダイヤフラムからなっています。ダイヤフラムの2枚の円盤は重なっているため、あたかも一枚の部品に見えます。円周部分はシーム溶接を施し、中心の穴があいている部分にSTUDをつけます。キャピラリチューブとダイヤフラム、もう一方のキャプラリチューブを銀ローで感熱部に溶接します。これをダイヤスタットアセンブリといいます。
次に、熱を伝える封入液のHB40が入ったタンクにダイヤスタットアセンブリ全体を浸し、真空状態にすると、感熱部先端の穴からHB40液が徐々にキャピラリを通じてダイヤフラムへと浸透していきます。充填後タンクを開け、ダイヤスタットアセンブリを取り出します。液が入ってくる入り口は穴が開いていますが、浸透した液はこぼれ落ちません。これはまさに水が入ったストローの一方を指で押さえたとき中の水が落ちないことと同じなのです。次に感熱部先端をクランプし銀ロー溶接を施します。これで中の液体は完全に閉じ込めたことになるわけです。最終段階は、このダイヤスタットアセンブリを2週間以上恒温槽に入れエージングします。この際、漏れがあれば規定の変位が得られないので不良とすることが出来ます。ダイヤスタットアセンブリと接点機構を持った本体を組み込めばサーモスタットになります。
サーモスタットの感熱部を制御したい媒体におき、温度が上昇すれば中に封入された液体が膨張しキャピラリを通じてダイヤフラムバルブを膨らませます。つまり接点が開きOFFします。その後下降すれば液体が収縮しますので、ダイヤフラムの膨らみがなくなり接点が開いて再度ONするわけです。(A接点仕様は上記と反対の作動となります)
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